ひそやかな
絵とことばをめぐる
『よるくま』『金曜日の砂糖ちゃん』(いずれも偕成社)などで知られる絵本作家・酒井駒子(1966-)。静謐さをたたえた美しい絵と詩的で思索的な文との響き合いは、子どもから大人までの多くを魅了し、日本にとどまらず海外でも高い評価を得てきました。本展は、酒井駒子初となる本格的な個展です。
デビュー作から最新作まで20冊を超す絵本から、約250点の原画を選びました。原画は、画用紙や段ボールなどを黒い絵の具で下塗りした上に色が配され、子どもや動物たちがひそやかに描かれています。
「ある日」「ひみつ」「こみち」など6つのエリアを分け、特製の額やケースに収められた原画と、物語や文の断片をめぐっていきます。
酒井が制作を行う山のアトリエの景色や音、小さなおもちゃやオブジェがアクセントをつけます。
散歩するように、ゆっくりと歩きながら、時に立ち止まりながら。みみをすますように、展覧会をお楽しみください。