南日本放送 番組審議会
南日本放送番組審議会 概要
2020年度 第2回 南日本放送番組審議会
1.開催日時:2020年5月20日(水)
2.開催形式:書面開催
2020年度第2回南日本放送番組審議会については、新型コロナ感染症の拡大防止に配慮して、通常の会議形式ではなく、書面開催とした。
委員の皆様には、「審議番組」のDVDを事前に送付し、ご意見と感想等のリポートを提出していただく対応をお願いした。
3.参加者
委員の総数 10名
参加委員数 10名
欠席委員数 0名
社側参加数 8名
4.審議事項
(1)番組審議
番組名称:
テレビ番組 ダイドーグループ日本の祭り『海に祈りを 里に感謝を~太郎太郎祭~』(4月5日(日)午後1:00~1:54放送)
内 容
いちき串木野市の羽島集落で行なわれている「太郎太郎祭」は、江戸時代より約240年続く伝統行事です。祭りは、航海安全を願う舟持ち習俗と五穀豊穣を祈願する田打ち習俗の二部構成。舟持ちでは、数え年5歳の男子が舟を持って練り歩き、続いて羽織を纏った舟唄の行列が奉納へ上がります。
一方、田打ちは牛、テチョ(父親)、太郎(息子)の三役が主役。テチョと太郎の即興の掛け合いが始まると、やがて拝殿の後ろから牛が登場。太郎たちは境内を逃げ回る牛を捕まえようと大騒ぎ。やっとのことで捕らえた牛と共に代掻きを行い、一年の豊作を願います。
番組では、祭が行なわれるまでの稽古や準備過程に密着する他、集落の人々の暮らしの取材を通して、羽島集落の魅力をあらためて見つめ直します。
主な意見は以下のとおり
- 勇壮な舟歌を大きく取り上げているが、舟歌そのもの、唄の内容、掛け合いの意味、音頭などに対しての掘り下げが乏しく残念だった。
- 今、それぞれの地域で、祭りの後継者不足が言われている中、羽島では小学生などの育成にも力を入れていたので、次世代の活動に期待が持てた。
- こういった無形民俗文化財を映像として残しておくことは、後世の人達に引き継ぐ資料として貴重なものではないかと思う。
- 父から子、孫へとつながる祭りの特色もよく描かれていた。新たに抜擢されたテチョ役の方の緊張感もよく伝わった。太郎役の方の人柄もよく映し出されていた。特に舟歌は圧巻であり、農村というよりは漁村、漁業の集落らしさが、よく捉えられていた。
- 「太郎太郎祭」は、海と里が合体したユニークなものだが、祭りと共に生きる人々、人々と共に生きてきた祭りの姿が、良く描かれていた。日本人の根っこのようなものが感じられた。
- 期待した「羽島集落の魅力」が伝わらなかった。おそらく、集落の魅力は住んでいる人々と伝えたかったのだと思う。番組構成の順番を工夫すれば、それが伝わるのかも知れない。登場人物の人物像をもう少し描いてから、祭りでの役割を見せたら、より惹き付けるものがあったかも知れない。
- 番組に出てくる全ての人々が、地域愛に溢れていることを感じた。祭りを通して、地域のコミュニティが出来、人と人のつながりが生まれていることが良く分る番組であった。祭りが生活に密着しており、親から子へ、子から孫へと世代を越えたつながりも感じた。
- 地元局として、今後もふるさとの伝統、人、もの、自然、生き様などを県民に紹介して、鹿児島の時代時代を映し出していただきたい。
- 取材で、本番の祭りの輪にカメラが入り込み過ぎている。スタッフが良い絵を押さえたいと前に出る気持ちは分る。だが、視聴者にとっては、逆に動きまわるカメラの存在を意識させ、せっかくの祭りが興ざめとなる。
- 舟唄の太い声が結構長く続いていて、女性の声が殆ど聞かれなかったので、ナレーターは女性にして、バランスを取っても良かったのではと思った。
以上