南日本放送 番組審議会
南日本放送番組審議会 概要
2021年度 第10回 南日本放送番組審議会
1.開催日時:2022年3月30日(水)午後4時30分~
2.開催場所:MBC放送会館 5階会議室
3.出席者
委員の総数 10名
出席委員数 9名
欠席委員数 1名
社側出席数 6名
4.議 題
(1)業務報告
(2)番組審議 テレビ番組 JNN九州沖縄ドキュメント ムーブ
『 私が外国人になった日~兄弟島の分断~ 』(2月27日(日)午前5:35~6:05放送)
内 容
太平洋戦争の後、米軍の占領下に置かれ、日本から引き離された島々がある。奄美と沖縄の島々だ。地理的にも文化的にも近く、かつては「兄弟島」と言われていた。島々の運命が変わったのは1953年12月25日。戦後8年の米軍統治を経て、奄美が沖縄より先に日本復帰を果たした日だ。奄美が悲願の「祖国復帰」に沸く一方、沖縄で暮らす奄美出身者の状況は一変。たちまち「外国人」となり、様々な制約を受けることになった。高校卒業後、奄美から沖縄に渡った津留健二さん(88)も公務員になる夢を絶たれることになった。背景には、沖縄での基地政策を優位に進めたい米軍の策略が絡んでいた。
沖縄が日本に復帰して半世紀。分断の歴史を知る人も少なくなる中、一度は引き裂かれた島々の絆を取り戻そうと奔走する人々がいる。奄美と沖縄が日本に復帰した年に生まれた「復帰っ子」と呼ばれる世代だ。
戦争が残した「負の歴史」に敢えて目を向け、前を向く人々の姿を追った。
主な意見は以下のとおり
- 日本復帰前の沖縄に取り残された奄美の方々が、非琉球人として辛い思いをしたことを知らなかった。
- 奄美と沖縄の復帰っ子ふたりが、とても前向きでエネルギーに満ち溢れていて、歴史を伝えていきたいと力強く話していた言葉がひしひしと伝わった。たくさんの人に見てもらいたい番組だ。
- 重たい難しい問題に頑張ってチャレンジしていたが、奄美の方、沖縄にいた奄美の方、沖縄の方の気持ちが伝わりにくかった。テーマへの光の当て方や演出にもっと工夫が欲しかった。
- 奄美と沖縄が分断された戦争の後遺症を初めて知った。沖縄の基地建設に反対しながらも、基地建設のアルバイトをしていた矛盾や葛藤の気持ちがよく分かった。歴史を語り映像で残して、平和の大切さを伝えていた。
- 日本と分断された奄美と沖縄の方々の心情を感じた。戦争の映像があったが、今のウクライナの映像と一緒。戦争の悲惨さをあらためて感じた。
- 戦争の歴史を忘れ、記憶が薄まっていく中で、意義のある番組。戦争の砲火だけでなく、その後の後遺症や影響も強く感じて辛かった。奄美・沖縄の世界遺産登録を契機に、歴史についても未来志向で伝えていきたい。
- 分断に伴う差別が、具体的にどんなことがあったのか掘り下げたら、苦難の気持ちがもっと分かりやすく伝わったのでは。
- 人の力で変えられない戦争の理不尽さ、人の力で状況を変えていく力強さの双方を感じた。地域の歴史を伝え、教えていくことが大切で、事実を認識していくことが、先々の平和につながっていくと思った。
- 沖縄にいた奄美の方々に差別があり、苦労したことを生の声で聞けたことが良かった。奄美と沖縄の復帰っ子が手を取り合って分断の歴史を伝える取り組みをしていることも初めて知った。
- 30分間の番組に、色々なことを盛り込み過ぎた。テーマを絞って掘り下げた方がもっと伝わったのでは。
- 戦争を知らない若い世代に伝える意義のある番組。たくさんの若者が見られるように放送する時間を考慮しては。また分断の歴史を伝えることは、地域でどれ位の熱量で取り組まれているのかも知りたかった。
- 戦争を経験した世代の生の声を聞けるぎりぎりのタイミングで、この番組を制作したことに感動した。今しか作れない番組であることを評価したい。
- やや視点が広がり過ぎて、分かりにくかった。どんな差別があったのかなど深掘りした方が良かったのでは。
以上